もくもく絵本研究所のお話

むかす、あったずもな。

というわけで、そもそもの始まりは、自然豊かな遠野で暮らしている子育て中のおかあさんのつぶやきでした。
「遠野の木で、木の絵本を作りたいね」
その「木の絵本」という言葉のしずくが、心の泉にポトンと落ちて、その波紋が心のなかに温かい温もりとなって広がっていきました。

遠野の豊かな森と、囲炉裏のそばで語り継がれて民話世界を、過去のものではなく、今の暮らしのなかで楽しめる木の絵本を作って、遠野の文化を次の世代につなげていくことができる製品づくりという目標が定まりました。

会社名の『もくもく絵本研究所』は、木だから、「もく」という音をつかいたい、とか、「もくもく」と絵本づくりに取り組みたい、とか、煙突から「もくもく」と煙がでている家のなかでは、薪ストーブを燃やしながら絵本を楽しむ風景もいいかしら、そんなこんなで、みんなで決めました。

会社設立のメンバーは4人。タクシー会社の前川、老舗菓子屋の松田、製材業を営む豊田、そして、東京から移住して馬と暮らしはじめた徳吉。
みな、それぞれ本業を抱えながらの起業でした。さまざまな仕事を暮らしのなかに織り込みながら生活をつないできた遠野の先人の営みのスタイルが、もくもく絵本研究所にも自然と引き継がれることになりました。

なにしろ、思いばっかりで、物作りには素人でしたので、工業デザイナーの安次富 隆さん(ザートデザイン)製品の企画デザインから製造、販売までの全体を仕切っていただきました。詳しくは安次富 隆さん(ザートデザイン)のHP(その1その2)でもご紹介いただいています。

おかげさまで2012年グッドデザイン賞ベスト100という栄誉ある賞をいただきました。ベスト100に選定された企業として参加したプレゼンテーションの模様をどうぞごらんください。